牛乳やカップ飲料、デザート類をはじめ、多様な乳製品を製造・販売し、幅広い分野に対応してきたトモヱ乳業株式会社。徹底した衛生管理のもと、原料受け入れから出荷まで一貫した体制を構築し、安全・安心なモノづくりを重視している。事業拡大に伴い、組織運営や人材育成、安全管理の課題が顕在化する中、社員の主体性を引き出し、自走する組織への進化が求められていました。
【背景と課題】
ゼロにならない労災や、主体性を発揮できない人材・組織が課題に
1956年(昭和31年)、当時21歳だった創業者が経営難にあった関東畜産工業株式会社を借金ごと引き継いだのが始まりです。乳業へと事業を特化する中、「生産者・処理メーカー・販売店が三位一体で成長する」という想いを込め、1962年(昭和37年)に現在の社名へと変更しました。
関東のほぼ中央に位置する立地を活かし、県内のほか、埼玉・栃木・群馬へと販路を広げ、さらにスーパーマーケットと早期に取引を開始するなど、先見性のある経営で事業基盤を築いていきました。1994年(平成6年)には第一工場を建設、その後、東日本大震災での経験をもとに、安定供給の重要性を再認識し、停電対策や災害対応を強化した第二工場が2013年(平成25年)に稼働。現在は年商500億円弱まで拡大し、「産業の中に文化あり」「医食同源」「安全・安心な牛乳・乳製品を通じた社会貢献」という理念のもと、成長を続けています。
一方で、事業規模の拡大に伴い、労災がゼロにならない、感覚に頼りがちな工数管理、そして真面目で誠実な社員が多い反面、「自ら考えて行動する」といった主体性が発揮されていない等の問題が浮き彫りになっていきました。また、5S活動を実施しても後戻りする、次世代の育成といった部分にも課題を感じていました。
こうした課題の解決策を模索している中、やはり社内だけでは難しく、外部の知見を取り入れるため、テクノ経営さんの1日工場診断をお願いすることになりました。
【選定と導入】
風景化していたフォークリフトの傷
驚くべきタレント性や主体性が開花
1日工場診断では、フォークリフトについた傷が当たり前のように「風景化」している点を指摘され、まさにその通りだと衝撃を受けました。放置されていること自体が安全意識の低さの表れであり、現場の状態が実は「普通ではない」と理解できたことが、何より大きかったです。また、計器の記録が単なる作業になっていないかといった点など、ありがちな内容も見逃さず、現場のことを理解した上で指摘されているという印象を受けました。
診断後のご提案では、安全面と生産性向上の両面について、本質を突いた指摘をいただき、それがコンサルティング導入の大きな決め手でした。生産性向上を進めるうえで、標準時間の整備や工数管理は不可欠であり、短期間では完成しないからこそ着実に作り上げるべきだという考え方に、大きな説得力と魅力を感じました。「企業は人なり」という考え方や、「自ら考え、行動する人づくり」という方針にも強く共感しました。
導入当初は、やらされ感や心理的不安から、強い反発がありました。労働生産性に対する取り組みはハードルが高く、「人が減らされるのではないか」という不安もあったのだと思います。しかし、一部の社員が自発的に動き、成功事例を共有してくれたことで、少しずつ活動が浸透していきました。全員参加を意識し、チーム名やテーマを自分たちで決め、楽しんで参加できる雰囲気づくりに注力したことが、転機になったと感じています。
こうした取り組みを通じて、社員たちが生き生きと発表し、ユニークなスライドを作成する姿を見て、そのタレント性や主体性に驚かされました。受け身だと思っていたのは、会社が活躍の場を十分に与えられていなかったからだと痛感しています。この活動で個々の優秀な能力が発揮され、新たな発見の場になっていますし、チームワークが向上して、社員の底上げをできていることが、何より大きな成果だと感じています。
今後は、自分たちで仕組みを作り、継続していく「独り立ち」をめざしています。「安全・品質・効率」の順番を大切にしながら、さらに高いレベルへとスパイラルアップさせていく。そのためにも人材育成を強化し、現場だけでなく間接部門も含めた全社的な成長につなげていきたい。自ら考え行動できる人材を育て続け、維持・成長できる会社をめざしていきたいですね。
テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。
(公開日:2026年4月14日)
PDFダウンロード
【工場診断事例】トモヱ乳業株式会社 様
ご質問・ご相談など、お気軽にお問い合わせください。
1日工場診断について相談する






