1日工場診断事例

新和コンクリート工業株式会社(新潟) 様

労働生産性50%向上と次代を担う人財育成
『躍進!プロジェクト60』の活動を通じて100年続く企業をめざす

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越後駒ヶ岳、中ノ岳とともに越後三山と称される南越後の名山・八海山のふもと、魚沼地域で創業し、1962年(昭和37年)の創立から60年以上の歴史を誇る新和コンクリート工業株式会社。1990年代をピークにコンクリート業界全体が厳しい状況となる中、創業60周年を機に更なる発展と100年続く企業をめざし、人が育ち、高収益が達成できる質の高い工場への変革が必要でした。

【背景と課題】
業界全体の落ち込みから募る危機感
競争力で上回るための工場改革へ

 1962年(昭和37年)の創立から、今年で62年目を迎えました。創業当時は、コンクリート業界が大きくなっていくのにあわせて業績も伸びていきましたが、時代の移り変わりとともに求められる役割や製品も大きく変化し、コンクリート製品自体がだんだん少なくなってきているというのが現状です。価格競争が激しく、思うような価格で販売できないといった状況もあります。営業面での課題もありますが、まずは工場の体質を変えて、対応できるようにしていかなければという話があり、同業他社と比較して、少しでも競争力で上回るためには、やはり工場の改革から進めていくことが経営会議で決まりました。

 工場での作業は埃にまみれて汚れるなど、大変な職場です。まずは現場の整理整頓を指導していました。そこがしっかりとできていなければ、どうやっても良い製品は作れませんし、生産量を増やすこともできない。当社は『品質第一』を掲げて業務に取り組んでいますが、整理整頓がその第一歩でした。また、各工場にはそれぞれ特長があり、悪くいえば標準化されていないということになりますが、みんな歴史があるわけです。大切な歴史である反面、殻に閉じこもったところ、どの工場も閉鎖的な部分があり、なかなかそこを変えていくのは大変だと感じていました。そうした中、テクノ経営さんに入ってもらって、組織的にプロジェクトを立ち上げて工場を改革していくのは非常に良いと思いました。そこで、まずは1日工場診断を実施していただき、第三者からの目線で現状を分析してもらおうということになりました。

【選定と導入】
見違えた現場と意識の変化
生産性50%UPの目標も早期に達成

 1日工場診断では、整理整頓の部分などをご指摘いただきました。「とても伸びしろがある」とおっしゃっていただいたのが印象に残っています。現場の皆が普通だと思って行っている業務は、じつは普通ではないというところをしっかりと指摘いただけたのではないかと思います。社内の人間がどうのこうのと指示するより、専門的な立場から見た指摘はやはり重みが違うと感じました。

 こうして『躍進!プロジェクト60』のコンサルティング活動を開始していただきました。工場を見ても、以前とずいぶん違うなと感じます。どうやって改善すればいいかを、こうやれ、ああやれといった指示を待つのではなく、現場で実際に作業をしている本人たちが「ここはこういう風にした方が良い」「運ぶ距離が短くなるから、こちらに配置してはどうか」など、細かなことを日常的に実践できるようになりました。“自分たちが”という意識の変化を感じます。

 また、ビデオで撮影してラインバランスを計測したり、片付けた物を取りにいく時間を短縮するためにカートを導入してみたり、座学だけではなく、工場の現場に踏み込んだ指導を実施していただいています。その結果、わずか5秒、10秒にもこだわって、ムダを省く努力を積み重ねていけるようになりました。このムダを省こうとする意識、たった1秒がムダになるという意識を持てるようになったのは、テクノ経営さんのコンサルティング活動を通じて、意識改革ができたお陰かなと思います。

 まずは生産性30%UP、それから最終的には50%UPをめざして活動を進めてきましたが、小出工場はすでに50%UPを達成しています。六日町工場も50%UPまであと一歩というところです。新和セグメントは特殊な商品を製造しており、残念なことに現在は受注がなく、二次製品の製造に変えて対応しています。そのため、正しく評価することは難しいのですが、活動開始から1年半ほどで50%UPは達成していました。生産稼働率やラインバランス、総合効率などを数字で把握し、また気づきメモなどによる目的をもった2S3T活動に取り組んだ結果、確実な成果につながっています。

 今後は人材の育成や成長が欠かせません。企業は人ですから、世代交代をしながら、工場全体、会社全体が変わっていけるようにしたい。また活動が終了した後、いかにして継続し、定着させていくのかといった課題もあります。コンクリートだけではなく、伸びる業界があれば検討し、全体の売上を落とさず、まずは確保すること。100年続く企業をめざして、人を育て、共に成長していきたいですね。

 テクノ経営総合研究所では今後も経営革新セミナー、1日工場診断を通じて、企業変革のきっかけをつくるための活動を推進してまいります。

(公開日:2024年4月3日)


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