ヤマウチ株式会社1918年(大正7年)は創業以来、工業用ゴム・プラスチック製品の専門メーカーとして社会に貢献をしてきた100年企業。現在では事務機、医療、自動車、電池、白物家電、製紙、紡績機器関連など、幅広いジャンルのメーカーに高品質な工業部品を供給、高い評価と信頼を得ている。他社の追随を許さない専門性で世界を掴む「ニッチ&グローバル」戦略で全世界のメーカーの多様なニーズに応えるべく、ダイナミックな企業活動を展開している。
そんな同社では、長年続けてきたTPM活動を更に活性化・進化していくことにも模索中であった。
【背景】
強い現場力を築き上げたい!
当社では1991年からTPM活動に取り組んできました。立上げ当初は外部の指導を受けながら活動を推進し、その後は自主改善活動(YPM:ヤマウチ流)に移行して活動を盛り上げてきました。
その後、私は海外工場に赴任となり、期間をおいて、京都長田野工場に戻ってみると職場の雰囲気が以前とずいぶん違いました。あえて悪い表現をすると、他人任せでムダに気づかない、変化を嫌う人たちが多いと言った状況が散見されました。活動当初の勢いが失われていると感じました。
海外では文化の異なる人との意思疎通に苦労をしました。だから日本に帰れば言わなくてもやってくれると思っていましたが、実状は「海外のほうがマシではないか」とも感じた次第です。
なんとか製造部門を中心に現場力の再生を図りたい。その方策を模索していた折、テクノ経営総合研究所の経営革新セミナーを聞く機会がありました。「ものづくり人材力の向上」というテーマ、まさに当時の状況に響く内容でした。当社にも活かせるのではと考え、工場診断をお願いすることにしました。
【導入】
当社とは異なる改善の着眼点
工場診断は一日をかけて京都長田野工場を診ていただいたのですが、診断報告書のなかで一番印象に残っているのがセルラインに潜むムダの指摘でした。それまで社内では個別の作業をいかに早くするかを中心に改善に取り組んでいたのですが、診断報告書には動線や歩行、レイアウトの見直しによる改善アイデアが具体的に示されていました。こういう考え方があるのかと正直なところ驚きました。それまで当社では思いつかない発想だったからです。社長からも賛同を得て京都長田野工場のコンサルティングをお願いすることにしました。
活動名は「ものづくり現場力再生プロジェクト」。あえて“再生”というキーワードを用いて、もっと活気があって、みんなが輝き、職場を良くしようという雰囲気にしたい、という願いを込めて名付けました。最初はOAの加工部門から活動を開始し、徐々に対象を広げて工場全体へ展開していきました。
当初はやらされ感もありましたが、成功体験の積み重ねで意識も変わり、現場力の向上が進み経営成果もでてきました。明るく前向きな担当コンサルタントの気質が当社の社風にマッチングしたことも成功の要因です。今年からは活動名を現場力“再生”から“躍進”に変えて、将来を見据えたワンランク上の内容に発展させています。
(公開日:2022年6月3日)
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【工場診断事例】ヤマウチ株式会社様
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