vol.8 受給のチャンスを逃さない!あとで後悔しないための事前準備と心構えとは
助成金や補助金の申請に携わっていますと、「要件チェックの前段階で想定以上に手間取り申請期限に間に合わなかった」「せっかく対応したのに申請を断念せざる負えなくなった」といった残念な事例が見受けられます。このような「申請受給できたのに」にはいくつかのパターンがあります。
一つ目は対応実施のタイミングです。「高齢者や有期雇用者などの求職者を雇入れた」「労働環境改善を制度化した」「テレワーク導入のため設備機器を購入した」など果敢に課題に取組んだ後では、実は申請できないケースがほとんどです。例えば労働分野の助成金では、施策推進者を選任して予め推進計画を策定することが要件となっていることが多いです。この求める計画策定が自社の対応推進上マッチしないのならあえて助成金活用には及びませんが、少なくとも実施前に可能性を探れるよう情報収集はしておきたいところです。
二つ目は専門業者との協働・連携です。就業規則・規程改訂における社労士、事業計画作成支援における認定支援機関など、適切な制度内容や機器導入を促す見地から協働・連携を必須とする補助金等があります。問題は専門業者や士業との自社の施策の共有です。専門業者に自社の経営課題の細かいところまで理解をいただくにはそれ相応の期間を要します。課題発生の早い段階で専門業者と接触、親密化を図るのが、いざ申請時に迅速な行動へとつながります。
三つ目は社内向け対応です。特に労働環境整備や制度導入の助成金において、労働者の代表者の意見を求められることがあります。この代表者の選任については、選挙などの民主的な手順を経ることを明記した法令改正が最近ありました。また付随して現就業規則の労基署への届出や三六協定締結は助成金申請には前提となる話です。選任、届出に関し今一度検証することをお勧めします。
最後に最近の申請はオンラインが主ですが、その仕組みは所管省庁や自治体によって様々なので注意が必要です。例えば経済産業省所管の補助金はGBizIDから申請しますが、アカウント取得には2~3週間程度要します。取得自体に申請は強要されないので、余裕をもって取得手続きを進めておきましょう。
以上のようなパターンで足元をすくわれないためには、いざ対応を検討する段階で助成金等情報収集の行動を仕組み化しておくことです。自社内では限界があるのであれば、自治体や専門業者など熟知した外部機関と常に相談できる関係を構築しておくのも大切かと思われます。
助成金・補助金に関するご相談は: https://www.tmng.co.jp/keiei_consul/