vol.7 申請が煩雑、支給が遅い、負のイメージとは少し異なり取組みやすい、支給まで比較的短い助成金もある
助成金ありきで会社の方針・施策を検討・決定するのは本末転倒ですが、もし抱える経営課題の解決にマッチした助成金があるのなら、それは上手に利用したいものです。ただ助成金には申請書類が多く手続きが複雑である、実際支給されるまで日数がかかるといった声はよく聞きます。今回はそのような中でも申請手続きが取組みやすい、または支給が比較的早めに受けられる助成金をいくつかご紹介します。ポイントとしては二つです。
一つは新型コロナウイルスの特例措置です。申請する立場に配慮した形で要件緩和や手続き簡素化が図られており、支給までの期間も総じて短いです。雇用調整助成金も当初は支給までの遅さが表面化されましたが、今は申請から支給まで約1カ月半程度です。vol.1で掲載の教育訓練加算も来年2月までは維持される見通しです。「小学校休業等対応助成金」は申請期限が来年3月末までですが、9月30日までの休暇取得分は年内12月28日が期限なので、その点はご注意ください。「両立支援助成金(介護離職防止支援コース)」は休業取得日数や利用日数の要件緩和が来年3月末まで特例措置としてあります。
もう一つは制度導入や環境整備のための助成金です。就業規則等の変更や社員への周知は必要ですが、もし要件にあてはまれば、比較的申請の手間がかからず、検討から半年程度で支給を受けられるものもあります。具体的には、「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用推進コース)」は60歳以上の社員が多く定年延長など検討している企業であれば、ぜひ検討したいところです。制度整備には専門家へ委託する必要がありますが、助成対象となる委託料は専門家との合意で決めることができるので、金額によっては収支面でメリットを受けることもできます。「キャリアアップ助成金(健康診断コース)」は、有期雇用労働者に法定外健診や人間ドックの費用を会社負担とすることで受給できます。近年健康経営の意識も高まり、この種の福利厚生は契約社員のモチベーションアップや採用面でのプラス効果も期待できます。
一方、以前弊社メールマガジンでも採り上げた「働き方推進支援助成金(勤務間インターバルコース)」も非常に取組みやすかったのですが、応募多数のため申請期限前に終了となりました。来年度も職場環境改善の観点から公募はあるでしょうが、要件は厳しくなるかもしれません。
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(次号vol.8は12月18日の予定です)