助成金・補助金 耳よりコラム vol.4 

vol.4 ものづくり補助金 加点項目「経営革新計画」への
取組みが、採択・事業化成功への有力な道である

 先月下旬にものづくり補助金の3次公募の採択結果が公表されました。応募総数は1次、2次より増加しましたが、採択率は38.1%と下がりました(なお、1次、2次の採択率はそれぞれ62.5%、57.1%)。4次、5次公募が控えている中、予算費消をひとまず抑制しようと作用したのかは分かりませんが、一般に補助金のような経済支援制度は早い時期の応募の方が採択率は高い傾向にあります。いずれにせよ加点項目への対応は採択にとって欠かせない取組みになりますが、その中で注目すべきなのは「経営革新計画」です。

 経営革新計画は、中小企業の新事業計画を自治体等が評価、承認することにより、計画に「お墨付き」を与えるような仕組みであり、会社の成長にとっても大きな助けとなります。その取組む主なメリットは次の三点です。

①公的金融機関からの資金調達面で優遇される
②販路開拓の支援が受けられる
③各種補助金申請の採択に有利となる

①②のように補助金以外の事業サポートの優遇を受けやすいのは魅力ですが、「経営革新計画」が他の加点項目より取組むべき最たる理由は、その計画策定の内容やポイントが、ものづくり補助金の事業計画策定にも概ねあてはまるということです。経営革新計画の承認までのハードルは決して低くないですが、ものづくり補助金が申請支援のパートナー選びから自ら始める必要があるのに対し、経営革新計画は自治体に相談することから始まるフローとなっています。自治体も地元企業が成長して雇用増や税収増をもたらすのを期待して、親身で丁寧な指導を行うと聞いています。また通年受付、たいてい毎月締めで審査、承認手続きが月例化しており、会社としても取組みを始めやすいと言えます。

 策定ポイントがほぼ同じなら、経営革新計画の承認がものづくり補助金の採択への試金石と判断できます。二つは同時に申請も可能ですが、経営革新計画が承認されないと加点されないだけでなく、本件審査にも影響が及びかねないので、できれば先に承認を得てから申請するのがよいと思います。今から着手すると、経営革新計画は11月末までに申請し、来年1月に承認を得て、5次公募に申請するイメージとなります。ぜひ経営革新計画に取組み、補助金支給、低利融資、販路拡大の三得により、計画した新規事業を成功へと導きましょう。

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(次号vol.5は11月4日の予定です)

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