助成金・補助金 耳よりコラム vol.3 

vol.3 助成金制度を知る、活用するとは、会社の成長モデルを知り、実現するということ

 助成金と聞いてどのようなイメージを抱きますでしょうか。「種類が多すぎて何をどう取組んだらよいのか分からない」「資金はもらえるのだろうが、条件が厳しく手続きは複雑そうだ」といった反応を期待したいところですが、現実はもっと衝撃的です。中小企業庁の調査(2018年)によると、助成金・補助金の認知率は51.5%、理解率は16.6%、そして利用率は何と6.0%です。中小企業の約半数はその存在すら知らず、知っていても活用しているのは8社に1社の割合なのです。中小企業の事業発展の強い味方であるはずの助成金・補助金制度が認知すらされていない現状は、至極残念なことです。

 国や自治体は経済の活性化と発展のため、毎年度様々な施策を考え講じています。殊助成金に関しては、人に係る投資を促すといった側面を有しています。支給を受けるために、会社は雇用・労働環境整備・能力開発などの課題(要件の充足)にまずは取組む必要があります。中には長期的な取組みを要するものもありますが、取り組んだ結果は会社の信用力の向上につながります。多様な人材の雇用は新たな発想を、労働環境の整備や制度導入は働き甲斐を、能力開発の推進は技術の獲得をそれぞれ社員にもたらします。そうしたレベルアップした社員の集まる会社は、社会にとって有形無形の新しい存在価値を産み出し、ひいては社内外の好評価となり、結果持続的な成長が促進されることとなります。視点を変えれば助成金制度は会社成長のヒントを与えていると考えることもできます。今はすぐに申請できなくとも、これら成長モデルの数々を知っておくだけでも経営の選択肢を持つという観点で有意義なことだと思います。

 また助成金の財源は会社が支払っている雇用保険料の一部が充当されます。申請のアクションを起こさない限り、保険料は掛け捨てのようなもので、何とも勿体ないお話です。助成金の申請を税金で例えれば還付制度のように捉えると、少しは前向きに考えられるではないでしょうか。支給された助成金は借入れと異なり原則返済不要の無利息の資金です。後払いなので資金繰り対策にはなりませんが、財務上は有効な対策となるのも魅力です。
いかがでしょうか。今回は助成金について説明しましたが、設備投資目的の補助金についてもほぼ同様なことが言えます。活用へ向け第一歩を踏み出してみませんか。

助成金・補助金に関するご相談は: https://www.tmng.co.jp/keiei_consul/
(次号vol.4は10月21日の予定です)

ホーム助成金・補助金 耳よりコラム vol.3