助成金・補助金 耳よりコラム vol.1

vol.1 雇用調整助成金 教育訓練を申請するなら研修は年内に実施

 日本で新型コロナウイルスが経済活動に影響を及ぼすようになって約半年、雇用調整助成金の申請件数は100万件を、支給額は1兆円をそれぞれ超え、企業にとって事業継続の助けとなっています。休業のほか教育訓練の支給実績もここに来て急速に伸びているようです。緊急対応期間中の特例措置による要件緩和と加算額増によるものと思われますが、どうも来年からその潮目が変わりそうです。政府が来年1月以降要件緩和の段階的縮減に言及したためです。

 そもそも雇用調整助成金は短期の支援制度です。支給対象期間の最長1年は、企業にとっていわば事業回復策を講ずる猶予期間とも捉えられます。政府は企業の雇用に対する真水の助成から、「Gotoキャンペーン」などの需要喚起策による事業活性化支援へ経済回復の軸足を移そうとしています。一方、社員側から見ると、雇用流動化の推進といった背景が浮かび上がります。それは、企業の終身雇用が揺らぐ中、社員が自主的に職業能力を開発するといった、コロナ禍前から言われていた政府方針に沿うものと考えられます。実際政府は近年個人向けの雇用や教育訓練関係の助成を充実させてきています。

 以上推察すると、雇用調整助成金の緩和された要件は年内までと心得た方がよさそうです。教育訓練も来年には従来の非常に厳しい要件に戻ることも想定して、申請を目指すのであれば、社員向けの研修は年内に企画、実施することをお勧めします。その際、研修カリキュラム等の明確化や受講者の事後レポート提出など現行要件をしっかり押さえることは言うまでもありません。

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(次回vol.2は9月23日の予定です)

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