コラム/海外レポート

2024.10.01

詐欺に注意!……と、タイ人の信心深さ

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執筆者:

高橋 隆二

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少し前の話になりますが、なんと、詐欺に遭遇してしまいました。
 と言っても被害はありません。事前に日本大使館の注意メールを読んでいたので助かりました。御存じの方も多いかもしれませんが、アラブ系の人が「イチマンエンサツミタイ」と言ってくるのです。見せるだけなら、と見せると、パッと奪い取り、慌てているうちに財布の中身をスリ取る等、色々な手口があるようですが、もう1年以上、大使館はじめ注意喚起をしているのを見ると、被害にあわれた方も多いのだと推察します。そんな見え透いたものに引っかかる方が悪い、と言った厳しい御意見もあるかもしれません。ただ、実際に遭遇した感想から、被害にあってもおかしくないかも、と感じます。かなり愛想が良いのです。外国に行っている高揚感があったり、外国人との接触に喜びを感じたり、少なからずそう言った感情はあると思います。そんな中、とても愛想のよい外人から声をかけられ、頼みごとをされると、「それくらい……」と思ってしまうのも理解出来ます。しかし、そう言った平和的心情を利用した悪質な詐欺である事は間違いありません。日本人に限らず、善意を利用された被害は許しがたい事と思います。
タイの歩道を歩いていると、空き缶等を置いて座り込んでいる人をよく見かけます。タイ人は仏教の信者、しかも信心深い人が多く、お金を入れる人が日本よりも多いと感じます。しかし、なんと、これもタイ人の善意を利用した詐欺が多いのだそうです。世も末ですね。
タイ人男性は一生に一度は出家するのだそう。その為の有給取得もよくある話です。
ある会社で、日本人の社長がそれを許さず、解雇した話を聞きました。その方はタイ人から慕われなくなり、周囲の幹部は苦労したと。後任の社長はタイの文化を受け入れつつ、日系のマネジメントを指導、時間をかけてタイ人の離職が少ない会社にしたそうです。
正直に言ってタイ人の「マイペンライ文化」をすべて受け入れていたら会社は潰れてしまいます。とは言えタイローカルの文化なり考え方を受け入れる度量が無ければ、例え正論でも上手く行かないものだと痛感します。ものづくり発展の裏には、現地文化の理解も含めた、駐在員の皆様の様々な御活躍が支えている事を忘れてはいけません。
改めて、日本人駐在員の皆様の御苦労には頭の下がる思いです。

これを読んで頂いている皆様にも、少しでも共感頂ければ尚幸いです。
ご拝読、ありがとうございました。

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