コラム/海外レポート

2024.02.13

今「ものづくり」に必要な精神的達成感

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執筆者:

細川 比呂志

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今現場で聞かれることに「若い人は何を考えているか解らない」「すぐ辞める」「ものづくりに興味がない」があります。生産現場のものづくりに魅力がなくなったように聞こえます。

本当にそうなのでしょうか。私は若い人に問題があるのではなく、若い人のことを言っている当人自身が「ものづくりに魅力を感じていない」と考えています。多くの若い人は日常的にインターネットを利用し、その中でも高い関心を示すメディアとしてSNSがあります。SNSで「いいね」を沢山もらうこと、TikTokでみんなに見てもらうこと、みんなと情報を共有して楽しむことがあります。これらは直接的に達成感が得られることであり、マズローの欲求5段階の社会的欲求から自己実現までの上位の精神的欲求を得ることなのだと思うのです。つまり単刀直入に結果を求めるのが今の若い人の欲求だと考えています。それに対して、ものづくりの現場はその欲求を満たす環境になっていないのだと思います。「若い人が、、、」と言っている経営者、現場の管理職が自責の問題と考えて、現場や組織に達成感を満たす仕組みを作ること、どのような仕掛けで人を育てて「達成感」が得られる仕事を作れるのかを真剣に考えることが今必要だと考えます。

Made In Japanが世界で工業製品のブランドとして付加価値を持っていたころは、未来に向けて現場も目標を持ち、色々な活動を行い、達成感を得ることがありました。プライドもモチベーションもありました。当時に比べると今のものづくりは目先の作業に追われている、人手も不足しマネジメントも欠落した現場になっています。

それではどうしたらいいのでしょうか。それは昔から引きずっているものを一度断ち切り、現在の環境と未来を見据えて新たな仕組み、仕掛けを構築することだと考えます。

具体的には現場の「達成感」をどのように表すか、「成果」をどのように組織の中で認めて協調性を生み出すかであり、今私がコンサルティングの中で進めていることの一つに徹底的な数値化と見える化があります。「いいね」は数値の評価です。「SNS」はフォロワー数が成果です。それに似たような達成感が得られる目標と評価指標、それに見合うものづくりの目指す姿を描くことが必要と考えます。今、ものづくりの経営者、管理職が行うことは現状を自責のこととして捉え、目指す姿を描き、新たな現場の仕組みを作ることだと考えます。

私のセミナーではそのためのヒントを、事例を交えてご説明しております。

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