コラム/海外レポート

2022.03.29

省エネ活動を基点に会社を変える
(大阪中央ダイカスト株式会社 様)

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省エネ、カーボンニュートラルへの対応など、昨今の製造業にとって環境問題への取り組みは、企業のブランディングにおいて非常に大きな要素となっている。
今後の製造業においては、省エネやカーボンニュートラルに取り組んでいない企業の商品は売れない時代とさえ言われている。

そんな時勢の中、省エネ活動を基点とした企業改革に取り組み、企業風土改革やスタッフの意識改革にまで成果を拡大させた会社がある。
大阪府大東市・住道に本拠地をおき、ダイカストやプラスチック部品の製造を行う大阪中央ダイカスト株式会社だ。

同社が主製品とするダイカスト製品は、材料の非鉄金属を高温で溶かし続けるため非常にエネルギー消費量が大きいのが特徴である。
そんな同社が抱える大きな問題が、省エネ法に基づいて行政に提出する定期報告書の不備と、省エネ活動の指標となるエネルギー原単位分母の設定だった。
また、すでに社内で取り組んでいた省エネ活動を、もっと活性化できないものかとの思いもあった。
 

「まず再提出にならない定期報告書作成のための知識の習得が必要でした。エネルギー原単位分母の設定については報告書作成の問題だけではなく今後の省エネ活動に有効活用できる指標にしたいと考えていました」
 

同社の常務取締役 技術部 部長 森 広史氏はこう考え、さまざまなセミナーを受講し、自力での情報収集に取り組んだが、なかなか理解は進まなかった。
そんなとき目にしたテクノ経営のセミナー案内がきっかけとなり、現場で省エネ活動を牽引する技術部 係員 包清 秀泰氏を伴い、セミナーを受講、そしてまずは差し迫っていた当年の定期報告書作成についてテクノ経営のコンサルティングを受けることにした。

そのコンサルティングは指示・進言をするだけではなく、なぜそのように取り組まなければならないのかを具体性を持って説明するスタイルで、非常にわかりやすく、納得感のあるものだった。
そこで定期報告書作成についての指導だけでなく、社内の省エネ活動全般についての指導もあわせて依頼することにしたのだった。
社内の省エネ活動の活性化には、誰もが納得感を得られる「見える化」が必要であるとのコンサルタントの指導のもと、省エネによる効果を金額によって「見える化」する仕組み作りを行った。
また、大きな設備を使う製造現場と事務を行う部門では、部門内でできる省エネの規模や形が違って当たり前である。そこで各部門に事務局担当者を置き、部門ごとに自分たちで取り組める範囲での省エネ活動を推進し、全社でその効果を共有する組織も整備した。

活動成果を褒賞金として全従業員に還元するなど経営層からのバックアップもあり、省エネ活動は全社で活気と広がりを見せ、その雰囲気の変革は、やがて省エネ活動の枠にとどまらず会社風土にも新しい風を吹き込みはじめた。
 

「各部門で、今まで行っていなかった朝礼をはじめるなど、いろいろと省エネ以外の新たな動きが芽生えました」
 

と、森氏は今回の活動が生んだ会社内の変化を振り返る。
 

「今後はこの省エネ活動の継続とともに、別テーマの業務改善にも拡大していければと考えています。省エネ活動を進めていくというよりも『働き方を変えていく取り組み』という大きな視野で捉えていきたいと思っています」
 

と、包清氏は今後の展望を語る。

省エネ活動を基盤とし、その成果を更なる業務改善、企業改革につなげていくという大阪中央ダイカスト株式会社の取り組みは、会社ぐるみのダイナミックな動きとなり、今後も続いていく。

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