コラム/海外レポート

2020.12.15

少しだけ視点を変える アイデア発想法

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ある遊園地でアイスクリームが飛ぶように売れています。紙カップに入ってスプーンで食べるアイスクリームは夏の風物詩。ところがゴミ箱が満杯になり、路上に溢れるカップの紙屑が…。さて皆さんなら、どんな解決策を考えるでしょうか。

常識的に考えれば、ゴミ箱の設置数を増やす、「ゴミ捨て禁止」の表示を出すなどの陳腐なアイデアしか思い浮かびません。

ところがカップの素材を食べられるコーンに変えることで劇的な状況変化が生まれます。紙カップやスプーンがなくなるだけでなく、いままでより美味しく食べられるようになりました。まさに一挙両得の問題解決アイデアではないでしょうか。これが「水平思考」の事例として語られる「ソフトクリームの誕生秘話」の話です。

水平思考(ラテラルシンキング)とは、イギリスのエドワード・デノボが提唱した多角的なアイデアの思考法。「どんな前提条件にも支配されない自由な思考」がその特色で論理的思考(ロジカルシンキング)とは違った視点で問題解決のアイデア発想に役立ちます。
その発想を導くのが視点をチェンジさせるキーワード。たとえば「結合する」「逆転する」「代用する」といった発想のフレームワークともなるキーワード。これらに沿ってアイデアを考えてみると、意外な発想が生まれてくるものです。

ものづくリ現場の改善活動でもアイデアが必要なときがあります。ところが会議や打ち合わせの場ではなかなか自由な発想が沸かないもの。そんなときはこうしたキーワードやフレームワークを活用してみてはどうでしょうか。

例えば、水平思考と同じように、アイデア発想を誘発するツールとして活用されているのが「オズボーンのチェックリスト法」です。転用・応用・変更などのアイテムで自由な発想をうながしてくれます。オズボーンはブレーンストーミングを生み出した人としても有名ですが、こうしたアイデア発想においても自由に発言できる雰囲気づくりが必要です。メンバーの意見を尊重し、自分の考えも主張できる場であってこそ創造性も育まれていくものです。
アイデア発想のポイントは「少しだけ変えてみる」ということ。改善活動も、いまある状態を少し改めるという問題解決の行為ですから少し視点を変えてみるというやり方との相性は抜群なはず。ぜひ一度試してみてください。

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