コラム/海外レポート

2014.04.12

変わりにくい「企業の体質・体力」を 活性化し、強化する

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  • ボトムアップ活動
  • 部門間連携

執筆者:

相澤 淳一

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プロローグ

私は、縁ありまして創業100年から200年を越える企業様の活動をご支援させていただくことが少なからずあります。これらミレニアム企業に共通する特徴をあげてみますと、次のような要素が思い浮かびます。

①独自の技術力があり、しっかりと伝承されている。

②「オーナー企業」が多く、トップダウンによる意思決定が速い。

③顧客志向の新しい取り組みに積極的である。

このように老舗企業の伝統には力強い経営の特質が見られますが、一方で「社歴・社史の長い企業様」ゆえに、「変えることが難しい体質」も見受けられます。それが伝統と改革の矛盾が引き起こす「舵の効きにくさと重量感」です。
また、社歴の長さにかかわらず変わりにくい組織体質を抱える企業様は多くおられます。今回はこうした伝統や企業風土が持つ足枷を解いて改革の成果を生み出すポイントを語りたいと思います。

組織体質に潜在する問題について

よく次のような経営陣のお悩みをお伺いすることがあります。
1)コストダウンの行き詰まり感があり、効果的な施策が出てこない。
2)一生懸命に仕事をしてくれているが、改善や改革が進んでいない。
3)改善活動に停滞感ややらされ感が漂ってきている。
4)国内では工場を統合して行く必要があるが、その推進をおこなう「中核的な人財」が育っていない・不足している。
5)緊張感とヤリガイを持って仕事に取組み、自発的に改善・改革を進められるよう「根本的に社内の体質」を変えたい。
また、これらに共通する主な背景として、
1)指示待ち型で言われた事しかしない/させない風潮が増しており、自発的な行動・改善が極端に減っている。
2)「個人・部署・部門のカベ」が孤立化を招き「報・連・相」や「連係」が不足している。
といった要因が見受けられます。

目指すべき組織改革の姿

「有機的な連携がとれる組織づくりの秘訣」とは何でしょうか。それはトップダウンやボトムアップなどの一方向のベクトルではなく、全体に関連した求心力を生み出す活動を展開することです。経営課題をブレークダウンして部門や個人レベルに反映させるテーマ設定が効果的だと思います。
その「目指すべき組織改革の姿」および「具体的な活動推進ポイント」を簡単にまとめれば次のようになるでしょう。
1)経営トップから、現場第一線のメンバーまで・全員が・主体的に、参加・分担・活躍する活動を展開する。
2)各位・各人が、経営成果に結びつき・実感できる活動指標」を設定して、取り組む。
3)活動の運営方法、日常問題の解決方法、抜本的な改革の進め方など、具体的な実行手順を「実務の場面で・習得・実践」しながら、成果に結びつける。
4)「自分たちがやって・自分たちが変えるんだ!」という、一人一人の自発性を引き出しながら、成果を全員が実感する。

具体的な活動推進ポイント

1)トップ・ミドル・ボトムの上下のつながりをフラットな組織として「改善活動」を展開します。このフラット組織は、例えば「1日15分間の改善活動時のみ」であり、活動が終了すれば、通常の会社組織に戻って業務を運営します。
2)10名前後の小集団を活動の母体として展開する。
3)推進リーダーは、現状組織を離れて若手(女性も可)を中心に起用する。
4)活動の運営方法、日常問題の解決方法、抜本的な改革の進め方など、具体的な実践方法の外部指導を受けて、推進の迅速化と成果実現を加速する。
5)月次・期毎のイベントにおける発表会を活用して、多くの方に発表していただく。

組織改革の成功事例

いままでの私の経験では、多くの企業が組織改革で大きな成果を生み出しています。
たとえば、A社では新工場の立ち上げを増員なしで実現されました。既存工場での生産性向上活動により、「省力・少人化・活人化」を展開、両工場の増産体制による運営成功が利益率の大きな伸長を促すことになりました。
また、製造部門での生産性向上活動から、徐々に全社の活動に展開したのが、永い伝統を有するB社のケースです。当初、B社ではコストダウンと在庫削減が課題となっていました。そこで「生産向上と在庫削減活動の並行実施」から、借入金返済と自己資本率の向上を達成されました。また、つづいて研究開発部門の活動へと展開されて「新製品売上額の増大」などを実現、現在も全社的な活動を継続されています。
このB社の社長様からは、「生産管理・調達・製造・品質管理など部門のカベを越えた連係で活動を進めています」「急に在庫が減っていますが何か手法があるのですかと、同業他社からも聞きに来られるようになりました」とコメントをいただきました。
やはり、改善活動を成功させる秘訣は全員の意識を一つにすることが大切です。上からの指示ではなく、メンバーが自主的に取り組める活動にすることが重要だと思います。それでこそ、活動の努力が成果に結びつくのではないでしょうか。

エピローグ

会社は、人が創り上げ・支えています。また人と人の出会いが大きな転換のきっかけになります。このたびの、この紙面での出会いが本物の出会いとなり、「ご期待を越える成果と感動をご一緒に実現できること」を祈念しております。

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