コラム/海外レポート

2012.10.15

「経営成果達成につながる職場づくり」について(後編)

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執筆者:

相澤 淳一

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この記事は5年以上前に掲載されたものです。掲載当時の内容となりますのでご了承下さい。
ごあいさつ

「経営改革に役立つコラム」ということで、前回より掲載させていただいておりますが、今回は前回の続き「経営成果達成につながる職場づくり」(後編)を進めたいと思います。

やる気の出る4つの原則
人は誰も、ムダな仕事をしたくないと思っているものです。ムダ無く・一生懸命にやろうという本質を持っているのです。しかしながら、現状は、「やっても/やらなくても月々いただくモノは変らない。」ということから、やる気が出ていないケースが多くなっています。
実際に、改善・改革活動をご支援させていただく状況からは、「自分だけ目立ちたくない。何か言われたくない。」という気持ちが先に立ってしまうため、このことが障害になって行動に移せないようです。

1)仕事の目的・目標がはっきりしていること。

「何を・どれだけ・やれば評価されるのか。」、あるいは「どのような期待があるのだろうか。」・・・ということが分からないと、きっかけとなる最初の部分のやる気が湧いてこないものです。

2)自分の責任で裁量でき、まかされている仕事の範囲が明確になっていること。

設備稼働率、歩留りなどの改善目標は実は、この条件が成り立ちにくいのです。この制約が少なく、裁量範囲が大きいのは「自分達の時間の使い方」・・・生産性向上目標なのです。

3)仕事や作業の進め方を自分なりに考え、十分に工夫してやってみる余地があること。

昨今の「ISO国際規格マネジメントシステム」による「決められたことしか・言われたことしか・してはなりません。」という風潮は、この3)に対して非常に強力なアシカセをはめています。
したがって、安全・品質・環境・コストに影響の出ない「改善対象・改善余地」を、明確に・分かりやすく示し、自分達でも容易に判断が出来るようにする工夫が必要です。

4)仕事の実績が、自分なりに判断することができ、周囲からも十分に評価されること。

工夫して実施した改善案がどのような結果になっているのかが、すぐに見える・分かることは、大変大きな励みになります。また、その状況が等しく周りの人達にも分かって・理解してもらえる環境になっていることは、さらに意欲が増して行きます。

自分達の時間の使い方
1日の仕事は「約8時間」が一般的ですが、「8時間掛って実施している内容」が本当に「まるまる・8時間」必要でしょうか。
多くの仕事・作業の中には、「価値を生んでいない時間」が含まれているいるものです。
また、「価値が無い」という訳ではないけれど、運搬・記録・監視のように「必要な仕事」ですが「直接的に価値を生んでいない」仕事も含まれています。
下図の「直接的に価値を生んでいる時間」は、業界や設備の自動化度合にもよりますが、多くの生産現場では5~25%程度」しかない状況です。
しかし、がっかりする必要はありません。むしろ、「改善余地が75~95%」あると考えればよいのです。
自分達の仕事や作業を見つめ直して、「手間を減らす」「ムダをなくす」と追求して行くことは、設備稼働率や歩留り改善などよりは制約が少く、比較的に自由度があるものです。

今回のまとめ
今回の内容を要約しますと、つぎのようになります:

*「無言の職場」と解決の方向性

まずは、「自分達で実施できること/できないこと」に区分して、「できること」から、毎日・時間を決めて、全員参加・分担で、改善行動を実践・継続して行く。

*「やる気の出る4つの原則」

比較的に、制約が少なく・裁量範囲が大きい「自分達の時間の使い方」についてムダを排除し、生産性向上を図ると共に、生み出した時間を有効に活用する。

*「自分達の時間の使い方」

多くの仕事・作業の中には、「価値を生んでいない時間」が含まれているもので、一般的に「改善余地が75~95%」くらいあるものです。

以上、「経営成果達成につながる職場づくり」について、お話させていただきました。

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