コラム/海外レポート

2015.02.15

現場力 × 女性リーダー(後編)

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この記事は5年以上前に掲載されたものです。掲載当時の内容となりますのでご了承下さい。

前回は現場力向上のキーワードを中心にお話しました。繰り返しになりますが、その本質を一言でいえば、「現場力」とは自分たちで問題解決できる力だといえます。 近年はモノづくり現場でも勤務形態や人材の多様化が進み、パートや派遣社員、外国人などさまざまな価値観を持った人々の働く姿が見られるようになりました。
そして、その現場力や人材の変化と関連して、最近では各職場における女性の活躍が目立ってきました。そのなかでも職場メンバーと主体的に関わる女性リーダーの働きが特徴的です。 現場力についても彼女たちの視点は新しい発想に富んでいます。私自身もコンサルティングにおいて、いきいきと活躍される女性リーダーの皆さんから元気をもらうこともしばしばです。
しかし、特に製造業では、女性リーダーはまだまだ少数派だと申せます。女性の持つ優れた特徴を活かして、企業発展に寄与できる職場づくりを進めるべきではないでしょうか。 重要な戦力として女性リーダーが先頭に立って職場活性化を推進する。これからはそんな企業がさらに成長し広がってゆくと考えています。
現在、女性の部長は5%強、課長は8.5%程度と言われていますが、先進諸外国では4割近くになっているようです。
安倍政権でも女性の働く場を拡大し、「女性活躍推進」を成長戦略に掲げています。女性の持つ潜在力を発揮しやすい職場体制の整備、人材育成や管理職登用制度など、強化して行くことが大切なトップの役割ではないでしょうか。

1.女性リーダーが育つ職場とは

女性が活躍する職場には以下のような特色があるようです。
1.女性の感性や視点が持つ価値を重要視している
2.育児や介護などの法的整備が進んでいる
3.個人の質的・量的スキルUP(人財育成)が盛ん
4.処遇に不公平感がない(固定的役割分担がされていない)
5.セクシャルハラスメントに対する体制整備がある
6.出産・育児等に関する勤務制度が出来ている
7.職場での協力体制が強化されている  等


このように企業組織の運営が整備されることが必要です。そのために、今後に向けて次のような取り組みを実施してはいかがでしょうか。
1.業務別タイムシェアの実施
2.マネジメントスタイルの変革
3.自動化、ロボット等の機械化による作業支援(極める「軽・薄・短・小」)
4.「女性活躍推進事務局」によるサポートなど


今後の日本社会において「労働人口の減少」は切実な問題となるはずです。その時に考えるのではなく、「見えている未来」に対して早期の対応が望まれます。 そのためにも、女性の社会進出や活躍の場を支援することが必要です。女性リーダーが活躍するための条件整備をぜひ積極的に行って下さい。

2.女性リーダーの活躍事例
(1)樹脂成型・加工会社での事例

商品に複数の樹脂部品を溶着する作業事例の改善を紹介します。本体に3つの部品(A、B、C)をセットするのですが、A、Bセットは約10秒、Cは25秒かかります。
従来は各工程に人を配置し、作業していたのですが、工程での仕掛在庫が発生するのと、移動の際の傷不良発生し、生産リードタイムも長くかかっていました。
そこで、私は“1個流し生産”を提案したのですが、仕事の変化を嫌う職場からは「え~、面倒」という声が上がりました。活動をする皆さんから否定的な反応をされると気分も滅入ります。 しかし、そのとき女性リーダーの方が「先生の言うことを一度聞いてやってみましょう」と皆を説得してくれたのです。
このことにより職場メンバーが改善に取り組んだ結果、品質は良くなり、また1個目の仕上がりが早いため、顧客の緊急要求にも対応出来るようになりました。
しかし、1番のネックとなる作業がまだありました。それはC部品の取付け時間の長さです。観察してみると機械が自動で加工する間、作業者は機械へのセットと確認・取り外しのみ行い、20秒ほどは手待ちの状態にあり、これでは生産性は向上しません。
そこで私は“標準手持ち”を提案しましたが、このときも女性リーダーは文句を言わずに実施してくれました。
そして、次の訪問時に満面の笑みを浮かべて、「先生、見て 生産性が30%上がった」と喜んで報告してくれたのです。このように素直に、根気強く、作業を進めてくれるのも女性だからこそではないかと思います。
これ以降、他の職場でも影響されて改善活動が活発化されたように思いました。ちなみに女性はパート社員の方で、他のメンバーもパートさんです。
余談ですが、この女性リーダーのチームが会社の代表として、親会社の「改善発表会」に参加され、優秀賞を受賞されました。私は、公の場所での発表会には女性が発表されるのが最適と考えています。 なぜなら、声の通りがよく、聞きやすく、発表資料もきれいにまとめていただけるからです。

(2)製薬会社での女性活躍事例

当時、高齢化により約3割の方々が退職を目前にしており、いわゆる2007年問題と直面する状況にあった会社の事例です。
改善推進事務局の適任者が現れずに困っていたところ、工場長の計らいで、生産管理の女性リーダーに任されることになりました。
最初は、現場のベテラン社員とうまくコミュニケーションしながら活動を進められるかが危惧されましたが、私はコンサルタントの立場から、各チームからの活動報告をすべてこの女性リーダーを通して受けることにしました。
その結果、活動は大成功で、職場との意思疎通も図れ、彼女も現場のことがよく理解できるようになった等の数々の効果が出ました。 また、普段は厳しい現場のベテランも女性には優しく教えていただけるようです。この女性リーダーの「PDCA管理」のおかげでスムースに活動が進められたと思います。「うまくいかずに泣いた事もあった」と、話してくれましたが、彼女の頑張りの素晴らしさに脱帽です。
ちなみに、そのリーダーは女性管理者第1号として職場から抜擢され、現在も活躍しておられます。

以上、簡単ですが、私の経験した「女性リーダーの活躍事例」の一部を紹介させていただきました。

まとめ

今後も増々パワーアップが期待される女性リーダーの活躍。その強みを最大限に活用することが現場の底力を高めると信じます。
そして「現場力強化」を進めるには「努力と継続」が重要ポイントだと考えます。トップがそのことを理解し取り組む姿勢があればこそ企業の発展が約束されるのです。

*女性リーダー “バンザイ”

テクノ経営では現場力を高めるコンサルティングを通じて経営革新を支援させていただいております。

以上

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