失敗しないレイアウト改善の ツボとコツ

1 はじめに

モノの配置を決めることをレイアウトと言いますが、レイアウトがまずいと作業改善も何もあったものではなくなります。例えば、材料や部品の倉庫と機械設備が離れていれば、倉庫からフォークリフトで原材料を運ぶ、棚の部品を手元へ運ぶ等、モノを動かすことで多くの時間を費やしてしまいます。また、前工程と後工程の機械設備が別の職場や離れた場所に設置されていると、材料や部品を1個ずつ運んでは手間が掛かるので、まとめて運んでしまう。すると、工程間の仕掛品や保管スペースが増大し、作業スペースがモノの置き場に変わってしまいます。
これらは、レイアウトを見直すことで改善できる部分が必ずあります。しかし、何からどう手を付けていいか分からないことで、放置されるケースを多く見かけます。皆さんの職場でも、レイアウト改善の知識を持っていれば、より良い職場に改善できる事例がたくさんあるのではないでしょうか。
今回のテーマは、-儲けにつなげる- 失敗しないレイアウト改善のツボとコツをご紹介します。

2 レイアウト改善のメリット

レイアウト改善で現場の何が変わるかと言うと、大きくは以下の3つが挙げられます。
① 製造リードタイムが短縮される
② 運搬のムダが低減できる
③ 待ち時間のムダや仕掛在庫スペースが削減できる
このように、製造業における工場レイアウトは、生産効率に大きく影響を及ぼす重要な要因です。レイアウト改善の目的は、工場内の限られた空間やスペースの中で、最大の効果を発揮する効率的な配置を決定することと言えます。

3 建屋内の職場レイアウト改善

工場レイアウト改善は、実はSLP(Systematic Layout Planning)という、体系化した手法があります。
詳細は割愛しますが、概略の流れのみ掴んで頂きたいと思います。(図1.2)

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レイアウト改善は上位レベル(基本レイアウト)から下位レベル(詳細レイアウト)、別の言葉でいうと全体の骨組みを作ってから細部の肉付けに入るといった順序で進めます。機械設備や作業域の配置の場合でも、その職場全体のレイアウトとの関係でそこを通る材料の流れ、機械設備の配列順序、向き、通路や建屋との関係など、全体的な構造を決める基本レイアウトが機械設備や作業域についての詳細レイアウトに先行します。
しかしその反面、レイアウト改善は図2のように全体として1つの階層構造になっているので、個々のレベルで区切って次々と降りているという進め方はできません。下位レベルのレイアウトがある程度固まらないと上位のレイアウトも確定できないからです。すなわち上位レベルの配置が大略決まったところで下位レベルの配置に取り掛かり、その基本構想がまとまったら上位のものに戻ってこれを確定するという順序で、上位レベルから下位レベルへと降りていくものです。

4 レイアウト改善に必要な手法とステップ

レイアウト改善に必要な知識は、実はほとんどがIE手法です。IE手法は、人・資材・機械設備・エネルギーの要素を統合化し、もっとも経済的な作業システムを設計、改善する技術です。仕事の方法と時間を分析し、仕事を効率化し、レイアウト改善を含めた改善に役立てることができます。

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そして、レイアウト改善のステップは、現状把握から効果確認まで一貫して同じ手法を使い、レイアウト案ごとに数値化して、現状の制約条件の中でベストと判断できるまで繰り返し実施するだけなのです。(図3)
各手法の具体的なやり方は、書籍が多数でていますので、そちらを参考にして頂きたいと思います。

5 意思決定のためには「数値化」

製造現場で毎日継続して発生するお金は、1回1回を見ると安いように見え、逆に一時的に発生する費用は、1回が高いので損のように思いがちです。しかし、製造現場で継続して発生するムダなお金を、例えば1年分まとめると驚くほど高額になることが多いものです。レイアウト改善のために必要な一時的な投資金額が高いと感じて、改善せずにムダを放置すると、結果として大きく損をする場合が少なくありません。感覚や直感でものを決めずに、数値化することは全ての改善において、大事な点です。
図3で紹介したレイアウト改善に必要なIE手法は、そのほとんどを数値で表します。すなわち意思決定に必要な要件を備えているのです。
さらに失敗しないためには、採算性を計算する必要がありますが、複数のレイアウト改善案から選択する場合は、2つの原則で考えれば良く、参考にされて下さい。(図4)

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6 最後に

これまでレイアウト改善について述べてきましたが、実はゴールまでのステップと手法さえ理解してしまえば、そんなに難しい改善ではないということです。
身近なところから部分的に改善すれば、自信も付いてきますので、是非トライしてみては如何でしょうか。

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