モノづくりの原点は、ヒトづくり

世界的金融危機で外部環境がめまぐるしく変化する中、クライアントから弊社へのコンサルティングニーズにも、様々な変化が見られます。しかし、この様な激変の中において、『モノづくりの原点は、ヒトづくり』にあるという事に変わりは無いと、改めて痛感する次第です。

ヒトはどのような時に、価値を感じるのでしょうか?

弊社では、創業以来一貫してVPM(Value Producing Management)という手法の元に、 企業の価値向上に向けてコンサルティング活動をご一緒させて頂いています。ここで、ヒトは そもそもどの様な時に、価値(Value)や不満を感じるのでしょうか? 私は、『ヒトは、変化に 対して価値や不満を感じる。』と思います。卑近な例で言えば、20万の給料を貰っていた人が 25万になれば「価値」を感じ、30万を貰っていた人が25万になれば同じ25万でも「不満」を感じるという訳です。つまり、会社の経営効率・価値を向上させる為には、日々の変化がどれだけ見える様になっているか、従業員が、あらゆる変化(良きにも悪しきにも)に対してどれだけ敏感に対応できるか? が重要だと考えています。

変化の見える化

私が、コンサルティング指導先・一日企業診断企業 等で、現場(製造現場・間接事務所)に入ってまず見る事は、変化が見える様になっているか? という視点です。「生産が進んでいるのか、遅れているのか」「S(安全)P(生産)Q(品質)C(コスト)D(納期)は正常なのか、異常なのか」例えば、5Sができていない製造現場では、モノの状態が正常なのか異常なのか、設備の状態が正常なのか異常なのか、判る訳がありません。
生産革新活動や間接革新活動を通じて「変化の見える化」を進め、経営目標に向かって活動を日々実践して行く訳ですが、変化を見るためには、「現実を正しく知る事」が、バイタルポイント であると考えています。

現実を正しく知る

1.自社(工場)の現状を正しく知る
工場診断 等で、中間管理職の方々とヒアリングする中で、会社(工場)の原価構成や自社の立ち位置(コンペチターの状況含め)を良く理解されていない事に驚きを感じます。会社(工場)規模によっても異なりますが、せめて担当工程の現状・立ち位置を把握しなければ、『あるべき姿』も描けません。3C分析(Company・Customer・Competitor)やSWOT分析(Strength・Weakness・Opportunity・Threat)も有効です。

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2.自社の製品を知る
自社の製品がどれだけあって、その売上比率はどうなっているのか? 品種(機種)毎の原価 構成はどうなっているのか? 儲かっているのか損しているのか? 他社に優位なのか否か?正しく分析します。

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3.お金(原価)を知る
企業の目的は利益を得る事であり、利益が出なければ、顧客満足・従業員満足・社会貢献もあり得ません。利益を得る為には、  ◆付加価値を付け、売価を上げる。
◆原価を下げる。
原価を下げる為には、
◆コストダウン(広義の生産性向上)
◆外部流出コスト削減
の何れかしかありません。

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この単純な数式の中で、個人個人の働きがどこに位置するのかを自覚し、行動に移せば、必ずや改善の知恵が出てきます。「全員経営者」の感覚が必要なのです。またこれは、間接従業員にも言える事なのです。

4.現場を知る
『現場の体温を測る』という意味を、真に理解される現場監督者がどれだけいるでしょうか?病院に入院すると、病名に拘わらず看護師さんが毎朝体温を測りに来られます。この事と同じで現場は日々変化しており、現場の管理者たるもの毎朝現場を一巡し、現場の体温を測りなさい。という意味です。『答えは、会議室にあるのでは無く、全て現場にあるのです。』

5.ムダを知る
製造工場において動いている有形物は、「ヒト」「設備」「材料」「製品」。無形物は、「時間」「エネルギー」「情報」です。 そしてその全てに「お金」が動いています。
この有形・無形に 拘わらず、夫々のムダに どれだけ気付くか、気付かせるか、これが革新活動におけるポイントであり、コントロールするのは、全て「ヒト」なのです。

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6.ヒトを知る(モノづくりの原点は、ヒトづくり)
従来から、「現場力」「意識改革」というキーワードが良く用いられます。事実、この1年間の コンサルティング事例として、「コストダウン」「生産性向上」といった従来からの事例に加え、「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)・3定(定置・定品・定量)をベースに、真の現場力を磨きたい。」「(直接・間接)従業員の意識改革を行いたい。」といった経営幹部の声を多く聞く事は、経済不況の中、正直驚きでした。不況の中、「モノづくりの原点は、ヒトづくり」「ヒトの大切さ」を改めて痛感しました。
技術革新・IT革新・・・ 世の中が便利になればなるほど、リスクも増加します。そして最後は「ヒト」に回帰します。私はこれからも、色んなヒトに出会い、また出会いたいと思います。「個人の価値観」が大きく変化する中、「企業内価値観(ベクトル)」を合わせる事が、企業価値を 向上させる近道ではないでしょうか・・・? そしてそれは、ヒトしか為しえない事なのです。

執筆者のプロフィール

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